トラベル懇話会、新春講演会で旅行業界が取り組むべきテーマなど講演

東洋大教授越智氏が今年取り組みべきことを提言
観光庁蒲生長官、「政府一丸となって観光の復活を」

  • 2021年1月11日(月)

 トラベル懇話会が「コロナ危機を乗り越え、未来への道を探る」をテーマに新春講演会を開催した。当初、リアルでの開催予定だったが、1都3県に緊急事態宣言が発出されたことを受けて、急遽オンラインに変更。日本旅行業協会(JATA)の前事務局長で現在は東洋大学国際観光学部教授の越智良典氏が、「観光の未来に向けて」と題して、今年旅行業界が取り組むべきテーマについて講演した。

原氏  講演に先立ち挨拶に立ったトラベル懇話会会長の原優二氏は、「旅行業は元には戻らない。どんな世界が今後待っているか分からないが、旅行の火を消さず、前に進んでいこう」と参加者に呼びかけた。

 講演会開催に祝辞を寄せた観光庁の蒲生篤実長官は、昨年末に政府の観光戦略実行推進会議で決定された政策プランについて触れ、「政府一丸となって観光の復活を進めていく。感染防止を徹底しながら、ワーケーションなど新しい需要の創出と需要の平準化を図りながら、国内観光需要の喚起に力いれていく」とコメント。また、東京オリパラに向けて、インバウンドとアウトバウンドの段階的復活に向けた取り組みにも意欲を示した。

坂巻氏  また、JATA会長の坂巻伸昭氏は「コロナで感じたことは、旅の力。Go To トラベルで国内旅行が広がり、地域の経済が少しずつ活性化することを感じた。旅行の役割は、地域の経済を活性化し、旅行者、そして地域の人の笑顔をつくることだと痛感した」と話し、2021年を旅行業復活の年にしてくと強調した。


東洋大教授の越智氏、6つの疑問で旅行業の現状を説明

 講演会で、越智氏は6つの疑問を提示し、議論を進めた。まず、「トラベルが優遇されるのはなぜか」との疑問に対して、これまでの国のインバウンド観光政策やリカバリーキャンペーンの実績を挙げるとともに、コロナ禍でのGo Toトラベルによる経済波及効果に触れたうえで、「トラベルは経済政策の4番バッター。4番バッターは風当たりが強い。感染拡大防止と経済の両立で、答を出していかなければならない」と話した。

 次に「Go Toトラベル事務局は旅行業に冷たいのか」という疑問を提示。事務局は緊急公募だったため、過去の実績や費用対効果から、「ツーリズム産業共同提案体」しかなかったとしたうえで、その役割は「迅速、公平、公正、安心安全であるべき」として、OTAなどを含めて観光業界に幅広く目配りすることが必要との考えを示した。

 「マイクロツーリズムが注目される理由」については、昨年10月末の調査結果として、47都道府県中、埼玉県を除きすべての都道府県で、最も多かった旅行者は、大都市圏ではなく居住地からだったことを紹介。Go Toトラベルでは、県民割も合わせることで、「地元化、狭域化が進んでいる」と指摘した。一方で、経済効果からすると、「目指すのマクロツーリズム」とし、マイクロツーリズムはそこに向けた一歩と位置づけた。

 また、「感染拡大とトラベルとの両立」については、昨年12月の時点でGo Toトラベル利用者6850万人泊のうち感染者は309人にすぎないとの観光庁の調査を紹介。個人旅行の感染者は横ばいだが、募集型や手配型の団体でも発生が見られるとし、「団体は目立つため、今後注意が必要」とコメント。一方、観光庁もGo Toトラベル参加条件となっている感染防止対策状況について全参加施設を調査しており、施設側も風評被害を出さないために、感染防止対策に全力を注いているとした。

 越智氏は、感染者が多い地域からの「旅行者が歓迎されない」状況についても触れた。今後、インバウンドが段階的に再開されていくなかで、その懸念は高まる可能性があるとしたうえで、山梨県が取り組んでいる「やまなしグリーンゾーン認証制度」を紹介。「他の自治体へのベンチマークにもなる。旅行者だけでなく、受け入れ側の安心安全体制の構築も必要だろう」との考えを示した。

越智氏  最後に、「海外旅行板Go Toトラベル」について、「海外旅行では、税金を投入してもリターンが見えにくいため」、その実現は難しいとしたうえで、過去の友好国との双方向の取り組み事例を挙げ、「相手国との共助という視点が大切になってくる」と述べた。また、今後に向けては、インバウンドと同様に管理型ツアーの実施も模索されているとし、段階的な海外旅行の再開に期待感を表した。

 そのうえで、越智氏は今年6月までと7月以降に取り組むべきことを提案。感染拡大が止まらない状況で当初のスケジュール感は後ろ倒しになっているとしながらも、2020年度第3次補正予算が1月中に成立する見込みであることから、今年6月までにはGo Toトラベル再起動と東京オリパラに向けた準備を進めることなどを提言した。

 また、7月以降については、海外旅行の本格回復には時間がかかるとの認識を示した上で、国内旅行での収益拡大、インバウンドとアウトバウンドにおける管理型ツアーの実施、新しい収益モデルとしてバーチャルツアーの普及、物販や飲食などへの観光の多角化、ハイブリッド型イベントの取り組みを挙げた。

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